ライダーにも暖機運転が必要!オートバイの走り出しをスムーズにする準備運動のススメ

メンテナンス
基本テク
初心者
Profile picture for user nob_rachi
チーフライター
Kakeru Moriyama

二輪車安全運転指導員として14年ほどの実績。主に安全運転講習会で多くの受講生の方にアドバイスをさせていただいた経験を元に記事を発信しています。

公開日:
乗車前に体側を伸ばすストレッチをするライダー

走り出しの違和感は、ライダー自身の準備不足が原因かもしれない。エンジンと同じく、人にも暖機が必要だ。首や足首をほぐす簡単な乗車前ストレッチのポイントとやり方を説明しよう。


今日は待ちに待ったツーリングの日だ。目的地までのコースは何回も確認した。昨日バイク屋さんで点検もすませている。体調にもまったく問題はない。よし、出発しよう!……ところがいざ走り出したら、なんとなく違和感を感じる。そんな経験はないだろうか。その原因は、もしかしたらライダーの準備不足なのかもしれない。

オートバイのエンジンをかけたら、車種によっては暖機運転が推奨される。最近の高性能車では、その必要性も小さくなっているが、実は暖機が必要なのはエンジンだけではない。ライダー自身の「暖機」も大切なのだ。

運動をするとき、まず準備運動から入ることも多いと思う。筋肉や関節をほぐしてけがを防ぐことができるし、体の動きがスムーズになり、思い通りのパフォーマンスを発揮しやすくもなるからだ。これはオートバイにも当てはまる。ライダーが体を動かして操る、一種のスポーツなのだから、やはり準備運動が大切だ。

運動と言っても、大げさなものは必要ない。たとえば、首をゆっくりと前後左右に傾けて、首筋の緊張をほぐす。足首をゆっくりと回して、ステップ操作に備える。この程度の運動でも、こわばっていた筋肉がほぐれ、血液が巡り出す。出発前のちょっとした時間で行えるだろう。

簡単なことだが、その効果は大きい。クラッチをつないで発進するとき。最初の角を曲がるとき。なんとなく感じていた不安感が、小さくなっているのがわかるだろう。とても楽しい気分で走り出せるはずだ。ぜひ、試してみよう。

詳しいことは次のモトカケレッスンで説明する。ぜひご覧いただきたい。

モトカケレッスン

公道を走行する際は法令などを遵守の上、以下の点を守り安全運転につとめてください。 

  • 走行前に車両の点検を実施し、異常がある場合は無理に走行することは控えてください。
  •  ヘルメット・プロテクターなどの安全装備や、防護効果の高いライディングウェアなど適切な装備を着用してください。
  •  発進前には必ず後方の安全確認を行ってください。また周囲に他の車両が走行している状況では、急な進路変更や加減速などリスクのある走行は控えてください。

オートバイに乗る前に、まず体を軽くほぐしておこう。大げさな運動は必要ない。ポイントを押さえた、シンプルなストレッチで十分だ。

  1. 「手首・足首」「首」「アキレス腱」の3点は押さえておこう。

    • 手首・足首 : ハンドル操作やブレーキ・アクセル操作など、オートバイはとにかく手首と足首を使う。走り出しからスムーズな操作ができるよう、念入りにほぐしておこう。手首は前後にゆっくり曲げ伸ばしし、左右にも回す。足首も同様に、大きくゆっくりと回しておこう。
    • アキレス腱 : ライディングではニーグリップでオートバイにしっかりとつかまることが大切。そのため、下半身の負担は大きい。脚の土台となるアキレス腱のストレッチで準備をしておこう。足を前後に開いて、後ろ足のかかとを地面につけたまま、じっくりと伸ばす。決して無理はしない。左右両方、忘れずに。
    • : 後方確認やコーナリングのときなど、首のスムーズな動きが大切だ。ゆっくりと前後左右に傾け、さらに左右にひねって、首の筋肉をほぐしておこう。繊細な部位なので、穏やかに動かすのがポイント。急に大きく回すのは避け、違和感があるときは無理をしないようにしよう。
      準備運動のポイント
  2. さらに余裕があれば
    上記3箇所に加えて、普段から行っているストレッチや軽い体操があれば、ぜひ取り入れよう。ただ、ストレッチ全般に共通する注意点も覚えておいてほしい。

    • 反動をつけず、ゆっくりと伸ばす
    • 息を止めず、自然に呼吸しながら行う
    • 痛みを感じたら、無理をしない
    • 伸ばした状態を、10〜20秒ほどキープする

体がほぐれると、走り出しからリラックスした状態でオートバイに乗ることができる。体の余裕は心の余裕につながり、冷静な判断や丁寧な操作にもつながっていく。

「たかが体操」と思うかもしれないが、実際に試してみると、その効果の大きさに驚くはずだ。楽しく安心して走り出すために、ぜひ準備運動の習慣を身につけよう。

次に読むレッスンはこれ!メンテナンスの人気記事 TOP3

  1. オートバイのバッテリー、その点検がとっても大切である理由 メンテナンス   初心者   基本テク
  2. タイヤの“賞味期限”、知ってる? オートバイのタイヤを使用期限で管理する方法 メンテナンス   初心者
  3. ツーリング前に忘れてない?オートバイの空気圧チェック入門 メンテナンス   基本テク   初心者

メンテナンスのよくある質問

走り出しの違和感は、オートバイの不調が原因ですか?

オートバイではなくライダー自身の準備不足が原因のこともある。エンジンと同じく、人にも「暖機」が必要だ。オートバイは体を動かして操るスポーツのようなものだからである。

乗車前の準備運動は、どんなことをすればいいですか?

大げさなものは必要ない。首をゆっくり前後左右に傾けて緊張をほぐす、足首をゆっくり回してステップ操作に備える、アキレス腱を伸ばす、といった程度でよい。出発前のちょっとした時間で行える。

スリップサインとは何ですか?

スリップサインは、タイヤの溝の底から0.8mmの高さに設けられた、摩耗限界を示す突起だ。タイヤがすり減り、スリップサインとタイヤ表面が同じ高さになったとき、残り溝は0.8mmに達している。そうなる前に、タイヤを交換しなければならない。

詳しくはこちら
スリップサインが出るまでは、タイヤを交換しなくても大丈夫ですか?

スリップサインが出ていれば、溝の深さは0.8mm以下になっている状態だ。実際には誤差もあるだろうから、0.8mm未満になっている可能性が高く、これは法律違反となってしまう。

またスリップサインが出るまで摩耗したタイヤでは、本来の性能を発揮できない。だからスリップサインが完全に出てしまう前に、余裕を持ってタイヤを交換するのが安全だと言える。

詳しくはこちら
スリップサインはどこを見ればわかりますか?

タイヤ側面の三角マーク「▲」を探し、その延長線上の溝の中を見るとよい。(車種によって異なる)サインは中央だけでなく、直進で接地するセンターや、コーナーで接地するサイドなど複数箇所にあるので、まんべんなく見たい。

詳しくはこちら
一カ所だけスリップサインが出ていても交換が必要ですか?

必要だ。「サイドはあやしいがセンターは大丈夫」とはいかない。どこか一カ所でもスリップサインが出そうなら、そのタイヤは交換のサインだ。

詳しくはこちら
チェーン掃除には、最低限どんな道具が必要ですか?

欠かせないのはチェーンクリーナーとチェーンルブだ。クリーナーで黒い汚れを浮かせて落とし、掃除で落ちた古いオイルの代わりにルブで注油する。掃除と注油はセットで考えたい。

詳しくはこちら
チェーン掃除であると便利な道具はありますか?

メンテナンススタンドがあると便利だ。センタースタンドのない車両で後輪を浮かせ、タイヤを回しながら作業でき、塗り残しやムラも減らせる。ブラシ・ウェス・手袋・新聞紙もそろえたい。

詳しくはこちら
チェーン点検では何を見ればいいですか?

たるみ具合・コマがスムーズにつながっているか・注油されているか、の3点だ。チェーンはエンジンの回転を後輪に伝える要の部品で、壊れると走れなくなる。

詳しくはこちら
走行中にジャラジャラ音がするのは、どういう状態ですか?

劣化したチェーンが出している音である可能性がある。音が出る時点でかなり劣化が進んだ状態で、走りにも影響が出ているはずだ。そうなる前にこまめな点検で異常を見つけたい。

詳しくはこちら