ツーリング前に忘れてない?オートバイの空気圧チェック入門

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チーフライター
Kakeru Moriyama

二輪車安全運転指導員として14年ほどの実績。主に安全運転講習会で多くの受講生の方にアドバイスをさせていただいた経験を元に記事を発信しています。

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出発前にオートバイのタイヤ空気圧を確認するライダー

走っていてなんとなく曲がりにくい、不安だと感じるのは、タイヤの空気圧低下が原因かもしれない。空気圧は気づかぬうちに減っていく。日常的なチェックの大切さとその方法を説明しよう。


ツーリング前の時間って、ちょっと楽しい。行き先を考えて、装備を整えて、天気を見て……エンジンをかける前から、もう気分は走り出している。
久しぶりの長距離ツーリングともなれば、愛車の点検も怠りないことだろう。ブレーキは効くか、エンジンは快調か、ウィンカーやブレーキランプなどの電装系は作動しているか、そしてタイヤに問題はないか。

特にタイヤは、唯一地面と接している重要部品。念入りに確認をしたい。パンクしてへこんだりしていないか、釘などの異物が刺さっていないか、溝は残っているか、古くなってひび割れていないか。

あれ、何か足りないんじゃない? そう思った方は、鋭い。とても大切なチェックが抜けている。

空気圧のチェック、である。

タイヤの空気圧を測るにはタイヤゲージ、調整には空気ポンプがいる。道具が必要なぶん、「日常的にやるもの」という意識は薄いかもしれない。
しかし空気圧は、想像以上に減っていく。パンクしていなくても、数カ月も放置すれば、走りに影響するレベルまで落ちることは珍しくない。

タイヤは、加速・減速・旋回の力を受け止めて路面に伝える“クッション”である。空気圧が減りすぎると、そのクッションが頼りなくなる。結果として、ハンドリングが鈍くなったり、ちょっとした段差で車体が落ち着かなくなったりする。さらにタイヤの変形が大きくなるため、ダメージが進みやすい。最悪の場合は、ホイールまでダメージを受けることもある。
しかも厄介なのは、変化が少しずつ進む点だ。多少の乗りづらさには慣れてしまうため、トラブルに気づきにくい。

だから、日常的なチェックが大切だ。 ツーリングなどのイベントの時はもちろん、普段からチェックする習慣を身につけたい。
ベストなのは、タイヤゲージとポンプを自分で用意すること。常時携行すれば、万が一の時に確認や空気の補充ができる。
そこまでいかなくても、ショップやガソリンスタンドで点検・調整を受けることができる。とくにガソリンスタンドは、ゲージ付きの空気ポンプを無料で貸してくれることも多い。やり方に不安があれば、店員が見てくれる場合もある。給油のついでに、気軽に頼んでみよう。

ツーリングに出かけても、途中でパンクしていることに気づいたら、走り続けるのはむずかしい。最悪、レッカー車を呼ぶ羽目になれば、楽しい思い出が台無しだ。だから出かける前に、空気圧チェックも含めた点検準備をして、思いっきりツーリングを楽しもう。

詳しい点検のやり方は、次のモトカケレッスンで説明する。ぜひご覧いただきたい。

モトカケレッスン

公道を走行する際は法令などを遵守の上、以下の点を守り安全運転につとめてください。 

  • 走行前に車両の点検を実施し、異常がある場合は無理に走行することは控えてください。
  •  ヘルメット・プロテクターなどの安全装備や、防護効果の高いライディングウェアなど適切な装備を着用してください。
  •  発進前には必ず後方の安全確認を行ってください。また周囲に他の車両が走行している状況では、急な進路変更や加減速などリスクのある走行は控えてください。

タイヤの空気圧チェックはむずかしくない。慣れれば数分で行うことができる。ぜひやってみよう。

  1. まず外観をチェック
    まずタイヤの外観を見て、接地面がへこんでいないかをチェックしよう。もし一目でわかるほどに変形していれば、空気圧を測るまでもなく、かなり空気が抜けた状態、ということだ。
    また同時に、釘などが刺さっていないか、タイヤが古くなってひび割れていないかもチェックしよう。その際、オートバイを少しずつ移動させながら、タイヤの全周にわたって見ることができれば、完璧だ。
    外観に異常がなかったとしても、実は空気圧が足りていない、という状況はあり得る。油断をせず、次の空気圧チェックへ進もう。

  2. 指定空気圧を確認しよう
    空気圧をチェックするには、まず正しい空気圧を知らなければならない。車種ごとにメーカーが指定した規定値があるので、それを調べよう。
    車体のどこかに、指定空気圧が書かれたステッカーが貼ってあるはずだ。それをみて、覚えておこう。
    またオートバイのマニュアルを見たり、ネットで検索しても、簡単に調べられるはずだ。
    なお空気圧の単位には、主に2種類ある。「kPa(キロパスカル)」と「kgf/cm2(キログラムフォースパー平方センチメートル)」だ。最近の国産車ではkPaが標準だが、空気ポンプはkgf/cm2だったりと、混在していることも多い。1kgf/cm2はおおよそ100kPaなので、「2.5キロ、あるいは250キロパスカル」という感じで理解しておけばいいだろう。
    日常的に点検するためにも、できればこの値を暗記してしまおう。ガソリンスタンドなどで空気を入れるとき「前は2.5キロ、後ろは2.9キロ」とすらすら言えれば、カッコイイ。

    タイヤ空気圧の規定値表示
    タイヤ空気圧の規定値。スイングアームやフロアパネルなどに貼ってあることが多い。前輪、後輪で値が違うことにも注意。

  3. 空気圧のチェックと調整
    まずタイヤの空気バルブが、作業をしやすい位置に来るよう、オートバイを移動させよう。
    空気バルブのふたを外して、なくさないよう、ポケットなどにしまっておこう。もし地面に落としてしまうと、探し出すのに一苦労だ。
    次に、空気ポンプのノズル(エアチャック)をバルブに押しつける。このとき、まっすぐに押しつけないと、ワキから空気が漏れてしまう。シューッと漏れる音がしないよう、押しつける角度を工夫してみよう。最初はやりづらいかもしれない。焦らずに、作業を行おう。
    ノズルをしっかりとセットしたら、空気ポンプに付いているタイヤゲージで、空気圧を確認。少ないとき(あるいは漏れてしまったとき)は、ポンプを操作して空気を入れよう。操作の仕方はポンプによって異なる。わからなければ店員にお願いして、教えてもらおう。
    点検調整が終わったら、しまっておいたバルブのふたを戻すことを、忘れないように。
    なおガソリンスタンドに備えてある空気ポンプは、四輪車用が多い。四輪車のタイヤバルブは外側に向いて設置されている。空気ポンプのノズルも、その角度に合わせて固定されていることが多い。ところがオートバイのタイヤバルブはタイヤの内側に付いているため、ノズルとの角度があわないことがある。最初のうちは、どの角度からノズルを当てれば良いのか、試行錯誤が必要かもしれない。
    どうしてもやりづらければ、横向きのタイヤバルブも市販されている。興味のある方はショップに相談してみると良いだろう。

  4. タイヤが暖かいときのチェックは少し注意
    メーカーが指定する空気圧の規定値は、タイヤが冷えているとき(冷間時)の値だ。だからチェックや調整は、走り出す前がやりやすい。ツーリングであれば、家を出てすぐにガソリンスタンドに寄り、給油と空気圧チェックを済ませる、という感じだろう。
    もしツーリングの途中で空気圧をチェックする場合、タイヤが暖まっているため、規定値よりも高めの空気圧になっていることがある。このとき、空気圧が高めだからと言って空気を抜いてしまうと、規定値よりも低くなってしまうかもしれない。
    一概には言えないが、走った直後の空気圧は高めに出る、ということは覚えておこう。


タイヤの空気圧が適正でないとき、何らかの形で、走りに悪影響が出ているはずだ。ライダーが自覚することはできなくても、影響は少しずつ蓄積し、漠然とした不安としてライダーにのしかかる。そのまま放置すれば、事故につながるリスクになってしまうかもしれない。
ぜひ、日常的に空気圧をチェックする習慣を身につけよう。それだけのことで、もしかしたら、これまで感じていた不安がなくなり、オートバイがもっと楽しくなるかもしれない。

ぜひ、確かめてみよう。

メンテナンスのよくある質問

パンクしていないのにタイヤの空気圧が減っているのはなぜですか?

パンクしていなくても、空気圧は少しずつ自然に減っていく。数カ月放置すれば、走りに影響するレベルまで落ちることも珍しくない。だから日常的なチェックが大切だ。

タイヤの空気圧が下がると、走りにどんな影響がありますか?

タイヤが路面の力を受け止めるクッションとして頼りなくなり、ハンドリングが鈍くなったり、段差で車体が落ち着かなくなったりする。変形が増えてタイヤやホイールが傷みやすくなることもある。変化が少しずつ進むため気づきにくいのが厄介だ。

自分の道具がなくてもタイヤの空気圧はチェックできますか?

できる。ショップやガソリンスタンドで点検・調整を受けられる。とくにガソリンスタンドはゲージ付きの空気ポンプを無料で貸してくれることも多く、やり方に不安があれば店員が見てくれる場合もある。給油のついでに気軽に頼むとよい。

バッテリーのトラブルを防ぐには、何をすればいいですか?

もっとも効果的なのは、こまめな乗車前点検だ。音や灯りの変化に気づいたら、早めにショップへ相談すればトラブルを防ぎやすい。

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バッテリーが弱ってきたサインはありますか?

セルモーターの音がいつもより頼りない、ヘッドライトが心なしか明滅して見える、といった違和感がサインになりやすい。早めに気づければ、出先での立ち往生も防ぎやすい。

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いらないわけではない。液の補充が不要なだけで劣化は進む。乗る前のこまめな点検が大切だ。

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一昔前は本当だった。発電機を内蔵していて、エンジンさえかかれば必要な電力を自分で作り出せたからだ。ただし電子制御が複雑な現代のオートバイには当てはまらないことも多く、バッテリーは欠かせない。

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「ネンオシャチエブクトウバシメ」とは何ですか?

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