オートバイのチェーンは大丈夫?点検で押さえるべき3項目

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チーフライター
Kakeru Moriyama

二輪車安全運転指導員として14年ほどの実績。主に安全運転講習会で多くの受講生の方にアドバイスをさせていただいた経験を元に記事を発信しています。

公開日:
走行中のチェーンの異音を気にするライダー

走行中のジャラジャラ音は、劣化したチェーンのサインかもしれない。たるみ・コマのつながり・注油という、チェーン点検で押さえるべき3項目とその見方を説明しよう。


オートバイに乗っていると、さまざまな音がする。エンジンの回転音、ヘルメットが風を切る音。オートバイに乗っているんだということを実感する。でも時には、あまり聞きたくない音がすることもある。どこからか聞こえるキーキー音や、得体の知れないカタカタ音。もしかしたら故障しているんじゃないかと不安になることも多い。

こんな音を聞いたことはあるだろうか。車体の後方下部から聞こえてくる、ジャラジャラという音。止まっているときはやむが、走り出すと速度に比例して大きく聞こえてくる。おそらくその音は、劣化したチェーンが出している音だ。

チェーン(ドライブチェーン)は、エンジンの回転を後輪に伝える、要の部品。チェーンが壊れてしまうと、オートバイは走ることができなくなる。意識することは少ないかもしれないが、実はとても重要な部品なのだ。だから、点検やメンテナンスにも、気を遣いたい。(シャフトドライブやベルトドライブなど、別の駆動方式もある)

ポイントは3つ。

一つ目はたるみ具合。 チェーンが正常を保つには、適切なたるみを持たせる必要がある。走行中はサスペンションが動くので、チェーンも張ったりたるんだりを繰り返す。その分の余裕を持たせておくわけだ。

また、チェーンは使っているうちに、かならず劣化して伸びる。(コマの結合部分が摩耗して隙間が増えるため。)常に点検を行うことが大切だ。

二つ目はチェーンのコマがスムーズにつながっているか。 チェーンが劣化するとコマが固着し、つながりがガタガタになってしまう。これではスムーズに機能しないし、どんなに調整しても適正な状態に保てない。こうなる前に新品への交換が必要だ。

三つ目は注油されていること。 チェーンが円滑に回るためには、適切に注油されている必要がある。最近はシールチェーンと呼ばれる、グリスが封入されているものが多い。このタイプのチェーンでも、外側から注油しないとシールが劣化してしまうし、さびも発生する。やはりこまめに注油することが大切だ。

チェーンが伸びたり曲がったりしていると、走行中にジャラジャラ音がするようになる。音が出るということは、実はかなり劣化が進んだ状態。走りにも何らかの影響が出ているはずだ。そうなる前に、こまめな点検で異常を発見したい。

具体的な点検方法は、次のモトカケレッスンで説明する。ぜひご覧いただきたい。

モトカケレッスン

公道を走行する際は法令などを遵守の上、以下の点を守り安全運転につとめてください。 

  • 走行前に車両の点検を実施し、異常がある場合は無理に走行することは控えてください。
  •  ヘルメット・プロテクターなどの安全装備や、防護効果の高いライディングウェアなど適切な装備を着用してください。
  •  発進前には必ず後方の安全確認を行ってください。また周囲に他の車両が走行している状況では、急な進路変更や加減速などリスクのある走行は控えてください。

チェーンの点検ポイントは意外に多い。一つずつ説明しよう。

なおエンジンをかけたままの点検は、とても危険。走行直後は熱いマフラーでやけどをすることもある。かならずエンジンを切って、マフラーに注意しながら行ってほしい。

  1. チェーンのたるみ具合
    チェーンのような機械部品が作動するには、適切な「あそび」(たるみ)が必要になる。ここで大切なのは、「適切」ということだ。たるみが大きすぎると、動力の伝達ロスが大きくなりすぎる。またちょっとした衝撃で外れやすくなってしまう。かといってたるみが少なすぎると、チェーン自体やスプロケットなど他の部品への負荷が大きくなる。最悪、チェーンが切れてしまうこともあり得る。
    点検は簡単だ。たるみ幅の規定値は、車体のどこか(スイングアームなど)に張ってあるステッカーに書いてある。まずそれを確認しよう。
    次に、チェーンの下側、最も大きくたるんでいるところを下から押して、どのくらい動くかを測る。規定値前後に収まっていれば合格だ。
    もし規定値よりも緩んでいたり、張っていたりする場合は、調整が必要。自分で調整するのがむずかしければ、ディーラーやショップに相談しよう。
    チェーンのたるみ確認
    オートバイでは、走行中にチェーンのたるみが変わる。ライダーが乗車すれば、その重さでリアが沈み込み、チェーンは少し張った状態になる。走り出せば路面の凹凸によってスイングアームが上下し、張ったり緩んだりを繰り返す。だからたるみ幅の確認は、ライダーが降車し、サイドスタンドをかけた状態で確認する。乗車していたり、センタースタンドで車体を上げている状態だと、たるみが変わってくるので、注意が必要だ。
    適正なたるみ幅は、車種によって大きく違う。スポーツ志向やオフロード向けのオートバイでは、スイングアームの動きが大きいため、たるみ幅も大きくなっている。逆にツーリングモデルなどでは、小さめの値になる。ともだちのオートバイを見て、同じくらいたるんでいればいいだろう、とはならないので、注意が必要だ。

  2. チェーンのコマが曲がっていないか
    チェーン全体を眺めて、コマ(リンク)がスムーズにつながっているかを確認しよう。もしカクカクしているところがあったら、それはチェーンが劣化している証拠。つながっている部分が摩耗して、正常に動かなくなっているのだ。こうなると、いくら調整をしたところで正常には戻らない。新品への交換が必要なので、ディーラーやショップに相談しよう。
    劣化して固着したチェーン

  3. 注油されているか
    最近のオートバイでは「シールチェーン」が多い。可動部分にグリスが封入されていて、高性能で長持ちするのが特徴だ。しかしグリスが入っていても、放置するとシールが劣化してしまう。だから、必要に応じて注油をする必要がある。
    目安になるのは、チェーンのさび。さび付いているところがあれば、それはオイルが切れていることを示している。ショップでチェーンオイル(チェーンルブ)を買ってきて、注油しよう。
    スチール製のチェーンは、ちょっと水がかかっただけでもさびることがある。多少のさびであれば、注油をしておけば、走っているあいだにとれてしまう。さびが出たからと言って、それほど神経質になる必要はない。(もちろん、全体が真っ赤にさびているようであれば、交換が必要になる。)


チェーンは、どちらかと言えば縁の下の力持ち的な部品。だが、常にエンジンの力がかかり続けているため、走っていれば確実に劣化する。だからこまめな点検とメンテナンスが大切だ。

ベテランのライダーには、チェーンをピカピカに保っている人も多い。その重要性を知っているからだ。ぜひ見習って、チェーンの点検をする習慣を身につけよう。

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メンテナンスのよくある質問

チェーン点検では何を見ればいいですか?

たるみ具合・コマがスムーズにつながっているか・注油されているか、の3点だ。チェーンはエンジンの回転を後輪に伝える要の部品で、壊れると走れなくなる。

走行中にジャラジャラ音がするのは、どういう状態ですか?

劣化したチェーンが出している音である可能性がある。音が出る時点でかなり劣化が進んだ状態で、走りにも影響が出ているはずだ。そうなる前にこまめな点検で異常を見つけたい。

タイヤは溝が残っていれば、まだ使えますか?

溝だけでは判断できない。タイヤは減るだけでなく「古くもなる」。ゴムが紫外線や熱で硬くなりしなやかさが落ちるため、いわば賞味期限がある。溝が残っていても期限切れのことがある。

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タイヤの「賞味期限」はどう判断すればいいですか?

年数とひび割れの2点で判断する。一般にオートバイ用タイヤは製造から3〜5年が交換の目安だ。製造時期は刻印で確認でき、表面に細かいひび割れが出てきたら交換のサインである。

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スリップサインとは何ですか?

スリップサインは、タイヤの溝の底から0.8mmの高さに設けられた、摩耗限界を示す突起だ。タイヤがすり減り、スリップサインとタイヤ表面が同じ高さになったとき、残り溝は0.8mmに達している。そうなる前に、タイヤを交換しなければならない。

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スリップサインが出るまでは、タイヤを交換しなくても大丈夫ですか?

スリップサインが出ていれば、溝の深さは0.8mm以下になっている状態だ。実際には誤差もあるだろうから、0.8mm未満になっている可能性が高く、これは法律違反となってしまう。

またスリップサインが出るまで摩耗したタイヤでは、本来の性能を発揮できない。だからスリップサインが完全に出てしまう前に、余裕を持ってタイヤを交換するのが安全だと言える。

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スリップサインはどこを見ればわかりますか?

タイヤ側面の三角マーク「▲」を探し、その延長線上の溝の中を見るとよい。(車種によって異なる)サインは中央だけでなく、直進で接地するセンターや、コーナーで接地するサイドなど複数箇所にあるので、まんべんなく見たい。

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一カ所だけスリップサインが出ていても交換が必要ですか?

必要だ。「サイドはあやしいがセンターは大丈夫」とはいかない。どこか一カ所でもスリップサインが出そうなら、そのタイヤは交換のサインだ。

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パンクしていないのにタイヤの空気圧が減っているのはなぜですか?

パンクしていなくても、空気圧は少しずつ自然に減っていく。数カ月放置すれば、走りに影響するレベルまで落ちることも珍しくない。だから日常的なチェックが大切だ。

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タイヤの空気圧が下がると、走りにどんな影響がありますか?

タイヤが路面の力を受け止めるクッションとして頼りなくなり、ハンドリングが鈍くなったり、段差で車体が落ち着かなくなったりする。変形が増えてタイヤやホイールが傷みやすくなることもある。変化が少しずつ進むため気づきにくいのが厄介だ。

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自分の道具がなくてもタイヤの空気圧はチェックできますか?

できる。ショップやガソリンスタンドで点検・調整を受けられる。とくにガソリンスタンドはゲージ付きの空気ポンプを無料で貸してくれることも多く、やり方に不安があれば店員が見てくれる場合もある。給油のついでに気軽に頼むとよい。

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