アクセスランキング トップ5 オートバイの後方確認、している人は少数派?それでもやった方が良い理由

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チーフライター
Kakeru Moriyama

二輪車安全運転指導員として14年ほどの実績。主に安全運転講習会で多くの受講生の方にアドバイスをさせていただいた経験を元に記事を発信しています。

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後方確認をしたら落ちている500円玉を見つけたライダー

あなたは、オートバイで発進するときの後方確認をしていますか?

かつて教習所で練習をしていた頃は、当たり前のように後方確認をしてから発進していたはずだ。そうでなければ卒業検定に合格できなかっただろう。だが免許を取得して公道を走っている今はどうか。私の場合、発進時の後方確認は身に染みついた習慣だ。しかし私以外のライダーが、振り向いて後方確認をしているところは、あまり見たことがない。(バックミラーをチラリと見る人はたまにいるが。)

なぜ、あれほど熱心に行っていた後方確認を、免許を取った途端にやらなくなったのだろうか。周りの人がやっていないのに、自分だけやるのは気恥ずかしいとか、そもそもやるメリットを感じないとか、いくつかの理由があるのだろう。しかし日常的に後方確認をしている私は、実はけっこうメリットを感じている。実際にやってみなければわからないだろうこれらのメリットを、具体的に整理してみよう。

メリット1:振り向くことでバックミラーでは見えない死角を確認できる

発進時にバックミラーをチラリと確認する。これならばやっているライダーも多いだろう。しかしミラーには、写ることのない「死角」がある。少し離れた場所ならば写るのだが、自分の真横から斜め後方にかけては、死角に入ってしまうのだ。つまり、すぐ近くにいる車両には気づくことができない。ミラーで後方確認したはずが、すり抜けてきたオートバイがいてびっくりした、そのような経験のあるライダーも多いのではないだろうか。

振り向いて確認をすれば、ミラーの死角にいる車両に気づくことができる。まずミラーを見て遠くを確認、次に振り向いて近くを確認。この一手間をかけることで、発進時の危険を大きく減らすことができるだろう。

バックミラーの死角
バックミラーの死角はライダーから見るとこのようになる。離れた位置にある青マーカーはミラーで確認できるが、すぐ近くの赤マーカーは死角に入るためミラーに写らない。(画像はわかりやすく加工しています)

メリット2:振り向くことが後続車へのアピールになる

オートバイは車体が小さく、その存在が見落とされがちだ。後続車のドライバーにしてみれば「オートバイの前にいる四輪車」の動きに気を取られてしまい、オートバイの発進タイミングが読みづらかったりもするだろう。しかしライダーが振り返る動作をすれば、その存在や発進意志を後続車に印象づけることができる。

実際私は、振り向いてみたら、すぐ後ろに迫った四輪車があわててブレーキを踏んだ、ということが何回もある。前方の車につられて見切り発車してしまうドライバーは、決して少なくない。他車から視認されづらいオートバイにとって、ライダーが後ろを振り返る動きは、自己防衛のための大切なアピールになるのだ。

メリット3:振り向くという動作が、発進に向けて気持ちを切り替え、余裕を作り出す

停車中はどうしても気が緩みやすく、特に信号待ちなどで長時間止まっていると、注意力が散漫になってしまう。そんな状態で漫然と発進すれば、周囲の状況への反応が遅れ、思わぬミスにつながるかもしれない。しかし後方確認の動作を意識して行うことで、軽い「集中状態」を作り出せる。ライダーの気持ちを「走り出すモード」に切り替えるスイッチとして機能するわけだ。

また「さあ走りだそう」と考えてから、後方確認のために一拍を置くことで、気持ちの余裕を作り出すことができる。信号が変わったからあわてて走り出すのではなく、一拍おいてから落ち着いて走り出す。安心して楽しいライディングをするための、最初の一歩である。

ささいなメリットの積み重ねが、安全で楽しいライディングにつながる

いずれのメリットも、ささいなものである。しかしこのような小さなメリットをいくつも積み重ねることで、結果として安心・スムーズなライディングを手に入れることができる。これを機会に、発進時の後方確認という一手間を取り戻してみてはどうだろうか。

具体的な方法は以下のモトカケレッスンで説明する。ぜひご覧いただきたい。

モトカケレッスン

公道を走行する際は法令などを遵守の上、以下の点を守り安全運転につとめてください。 

  • 走行前に車両の点検を実施し、異常がある場合は無理に走行することは控えてください。
  •  ヘルメット・プロテクターなどの安全装備や、防護効果の高いライディングウェアなど適切な装備を着用してください。
  •  発進前には必ず後方の安全確認を行ってください。また周囲に他の車両が走行している状況では、急な進路変更や加減速などリスクのある走行は控えてください。

いつの間にか忘れてしまった、発進時の後方確認。ここで、少し深掘りしたおさらいをしてみよう。

  1. 停車は左足で着地。右足はリアブレーキを踏む。
    停車中は、基本的に左足で着地するようにしよう。その理由の一つは、右足はリアブレーキペダルを踏んでいるからだ。(スクーターなど手で操作する車種もある。)停車中でもブレーキをかけていれば、車体が安定する。傾斜のある道路ではもちろん、平地であっても車体のぐらつきを防げる。万が一後ろから追突された場合でも、多少は衝撃を緩和することができる。
    停車中の左足着地は、ライダーの身を守るための基本として、ぜひ習慣づけよう。(もちろん、左側の足元が悪い場合などには、状況に応じた調整が必要だ。) 停車中の姿勢_2x

  2. 発進準備後、右後方を「顔ごと」向けて確認。
    ギアを一速に入れたり、発進合図のウィンカーを出したり、といった発進準備が終わったら、最後に「右後方」の安全確認を行おう。日本の道路交通法では、停車時には道路の左側に車両を寄せて停めることになっている。したがって発進時に後方から迫ってくる車両は、基本的に右後方からやってくるはずだ。そのような車両がいないかを、右後方を振り返ることで確認する。
    もちろんバックミラーで確認することも大切だ。しかしバックミラーには必ず死角が存在する。その死角に車両が潜んでいないかどうか、実際に振り返ることで確認することが重要だ。
    まず左足でしっかりと地面を踏みしめ、ブレーキもかけたままの、車両が安定している状態を作る。
    次に顔全体を右後方に向けるように、しっかりと確認を行おう。 目だけをちらりと動かすような動作では心許ない。しっかりと視線を向けることで、確実に見えるうえ、後続車へのアピールにもなる。

  3. 左後方もしっかりと確認(自転車に注意)。
    最近では自転車の存在にも注意が必要だ。キープレフトが原則である日本では、自転車はオートバイの左後方からやってくる。左後方の確認もしっかりと行おう。
    もしも近づいてくる自転車がいれば、発進のタイミングを遅らせて一旦やりすごすくらいの余裕を持ちたい。


安全が確認できたら、いつもどおり、発進しよう。
確認の手順を文章で説明すると長く感じるかもしれないが、実際にやってみれば、簡単な手順である。わずかな手間をかけることで、安全を確認し、余裕のある状態で発進ができる。その余裕が、安全・スムーズで楽しい走りにつながっていく。

ぜひ、試してみていただきたい。

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ライディングフォームのよくある質問

普通に行っている発進の操作にも危険はあるのですか?

ある。発進の瞬間には、後ろからすり抜けてくる二輪車や見切り発車の四輪車などのリスクが潜む。慣れて後方確認を省くと、こうした危険を見落としやすい。

発進時の後方確認には、安全確認のほかにどんな効果がありますか?

後続車への合図になる効果と、気持ちが切り替わる効果がある。振り返る動作で存在や発進意志を後続車に伝えられ、また漫然とした発進を防ぐ集中スイッチにもなる。

ブレーキが苦手な原因が操作以外にあるとしたら、何ですか?

目線の下がりすぎが原因かもしれない。緊張して縮こまると目線が下がり、視界が目の前だけになる。それがさらに緊張を生み、ブレーキが怖くなる悪循環に陥る。

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目線を上げると、ブレーキの何がよくなるのですか?

周囲がよく見えて安心感が生まれ、緊張がほぐれる。身体がリラックスして正確なブレーキ操作ができ、不意のブレーキにも落ち着いて対処できるようになる。

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「つま先立ち」フォームは、公道でもおすすめですか?

あまりおすすめできない。バンク角を稼げるなどのメリットはサーキット向けで、公道ではメリットよりデメリットが大きい。基本の土踏まずで踏むフォームのほうがよい。

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つま先立ちフォームの、公道での弱点は何ですか?

リアブレーキの操作が遅れることだ。操作の前にペダルへ足を戻す必要がある。リアブレーキは公道で出番が非常に多く、緊急時には致命的な遅れにつながることもある。

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コーナリングで「腕の力を抜く」のはなぜですか?

オートバイ本来の自然な動きを妨げないためだ。車体が傾くとハンドルは自然に切れる(セルフステア)。腕に力が入るとこの動きを邪魔し、うまく曲がれなくなる。

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腕の力は常に完全に抜くのが正しいのですか?

そうではない。完全に抜くのが正しいなら両手離しが理想という極論になるが、現実的でも安全でもない。大切なのは「抜く時は抜き、支える時は支える」という使い分けだ。

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