アクセスランキング トップ5 「慣れた発進」が危ない?オートバイの後方確認を見直そう

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チーフライター
Kakeru Moriyama

二輪車安全運転指導員として14年ほどの実績。主に安全運転講習会で多くの受講生の方にアドバイスをさせていただいた経験を元に記事を発信しています。

公開日:
発進してから後方のトラックに気づいて焦るライダー

慣れた発進ほど後方確認を忘れがちだ。だが発進の瞬間にはすり抜け車両や見切り発車のリスクが潜む。安全確認・後続車への合図・気持ちの切り替えという3つのメリットを説明しよう。


ライダーにとって「オートバイを発進させる」という操作は、数え切れないほど繰り返してきた、日常動作の一つ。足元がぬかるんでいるなど特殊な状況でない限り、特に意識をすることもなく発進の操作をしているはずだ。しかし、そんな「手慣れた操作」だからこそ、一度や二度、ヒヤリとしたことがあるのではないだろうか。たとえば、発進しようとした瞬間に後ろからすり抜けてきた原付に驚いた、後続車にクラクションを鳴らされた、焦ってエンストした ―― そんな経験はないだろうか。

発進の瞬間には、意外にも多くのリスクが潜んでいる。しかしそのリスクには、簡単な動作で対応することができる。それが 「発進時の後方確認」 だ。

本来、発進時の後方確認はすべてのライダーが必ず行っていたはず。運転免許取得の実技試験では必ずチェックされる項目だからだ。しかし運転に慣れてくると、徐々にその習慣が薄れていく。「面倒」「危険を感じない」―― そんな油断が、潜むリスクの見落としにつながる。

ここで改めて、発進時に後方確認を行うメリットを整理してみよう。

第一は、安全の確認ができることだ。
発進の瞬間には、後ろからすり抜けてくる二輪車や、見切り発車をしてしまう四輪車など、さまざまなリスクが存在する。これらの車両の存在に気づくことができれば、発進のタイミングをずらすなどして、トラブルを未然に防ぐことができるだろう。

第二に、後続車への合図になる。
オートバイは車体が小さく、その存在が見落とされがちだ。後続車のドライバーにしてみれば「オートバイの前にいる四輪車」の動きに気を取られてしまい、オートバイの発進タイミングが読みづらかったりもするだろう。このときライダーが振り返る動作をすれば、その存在や発進意志を後続車に印象づけることができる。追突防止にもつながる大きな効果と言えるだろう。

第三に、気持ちが切り替わる。 停車中はどうしても気が緩みやすく、特に信号待ちなどで長時間止まっていると、注意力が散漫になってしまう。そんな状態で漫然と発進すれば、周囲の状況への反応が遅れ、思わぬミスにつながるかもしれない。
しかし後方確認という動作を意識して行うことで、軽い「集中状態」を作り出せる。ライダーの気持ちを「走り出すモード」に切り替えるスイッチとして機能するわけだ。

何気ない発進の一瞬にも、意外なリスクは潜んでいる。だからこそ、後方確認というひと手間を惜しまないことが、安心して走り出すための第一歩になる。これを機会に、発進時の後方確認の習慣を、取り戻してみてはどうだろうか。些細な習慣ではあるが、必ず安全・スムーズで楽しいライディングにつながることと思う。

具体的な方法は以下のモトカケレッスンで説明する。ぜひご覧いただきたい。

モトカケレッスン

公道を走行する際は法令などを遵守の上、以下の点を守り安全運転につとめてください。 

  • 走行前に車両の点検を実施し、異常がある場合は無理に走行することは控えてください。
  •  ヘルメット・プロテクターなどの安全装備や、防護効果の高いライディングウェアなど適切な装備を着用してください。
  •  発進前には必ず後方の安全確認を行ってください。また周囲に他の車両が走行している状況では、急な進路変更や加減速などリスクのある走行は控えてください。

発進時の後方確認は、免許取得時にはいやというほど繰り返した動作のはずだ。しかしいつの間にか忘れてしまったというライダーも多いだろう。ここで今一度、おさらいをしてみよう。

  1. 停車は左足で着地。右足はリアブレーキを踏む。
    停車中は、基本的に左足で着地するようにしよう。その理由の一つは、右足はリアブレーキペダルを踏んでいるからだ。(スクーターなど手で操作する車種もある。)停車中でもブレーキをかけていれば、車体が安定する。傾斜のある道路ではもちろん、平地であっても車体のぐらつきを防げる。また、万が一後ろから追突された場合でも、衝撃を緩和することが可能だ。
    停車中の左足着地は、ライダーの身を守るための基本として、ぜひ習慣づけよう。(もちろん、左側の足元が悪い場合などには、状況に応じた調整が必要だ。) 停車中の姿勢_2x

  2. 発進準備後、右後方を「顔ごと」向けて確認。
    ギアを一速に入れたり、発進合図のウィンカーを出したり、といった発進準備が終わったら、最後に「右後方」の安全確認を行おう。日本の道路交通法では、停車時には道路の左側に車両を寄せて停めることになっている。したがって発進時に後方から迫ってくる車両があるとすれば、必ず右後方からやってくるはずだ。そのような車両がいないかを、右後方を振り返ることで確認する。
    もちろんバックミラーで確認することも大切だ。しかしバックミラーには必ず死角が存在する。その死角に車両が潜んでいないかどうか、実際に振り返ることで確認することが重要だ。
    まず左足でしっかりと地面を踏みしめ、ブレーキもかけたままの、車両が安定している状態を作る。
    次に顔全体を右後方に向けるように、しっかりと確認を行おう。 目だけをちらりと動かすような動作では心許ない。しっかりと視線を向けることで、確実に見えるうえ、後続車への合図にもなる。

  3. 左後方もしっかりと確認(自転車に注意)。
    最近では自転車の存在にも注意が必要だ。キープレフトが原則である日本では、自転車はオートバイの左後方からやってくる。最低限でもバックミラーによる左後方の確認を行おう。
    もしも近づいてくる自転車がいれば、発進のタイミングを遅らせて一旦やりすごすくらいの余裕を持ちたい。


安全が確認できたら、いつもどおり、発進しよう。
確認の手順を文章で説明すると長く感じるかもしれないが、実際には1秒かかるか、かからないかくらいの、簡単な手順である。たったそれだけの手間をかけることで、安全を確認し、余裕のある状態で発進ができる。その余裕が、安全・スムーズで楽しい走りにつながっていく。

ぜひ、試してみていただきたい。

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ライディングフォームのよくある質問

普通に行っている発進の操作にも危険はあるのですか?

ある。発進の瞬間には、後ろからすり抜けてくる二輪車や見切り発車の四輪車などのリスクが潜む。慣れて後方確認を省くと、こうした危険を見落としやすい。

発進時の後方確認には、安全確認のほかにどんな効果がありますか?

後続車への合図になる効果と、気持ちが切り替わる効果がある。振り返る動作で存在や発進意志を後続車に伝えられ、また漫然とした発進を防ぐ集中スイッチにもなる。

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技術だけが理由ではない。Uターンはメンタルの影響がとても大きく、「曲がりきれなかったら」という不安がハンドルやクラッチ操作を乱す。不安があるときは無理をしないことが大切だ。

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