「グローブは適当でいい」って思ってない?本当は大切なオートバイのグローブ選びのポイント

ライディングウェア
基本テク
初心者
Profile picture for user nob_rachi
チーフライター
Kakeru Moriyama

二輪車安全運転指導員として14年ほどの実績。主に安全運転講習会で多くの受講生の方にアドバイスをさせていただいた経験を元に記事を発信しています。

公開日:
ライディンググローブを自慢するライダー

ヘルメットやウェアは悩むのに、グローブはつい適当になりがち。だが操作感や安全への影響は大きい。防護性・動きやすさ・機能性という、初心者が押さえたい選び方のポイントを説明しよう。


オートバイの免許を取ったばかりの頃を思い出してみよう。(人によっては、つい先日のことかもしれない。)はじめてショップに行って、ヘルメットを手に取っては戻し、また別のモデルをかぶってみて、鏡の前でうんうん悩む。ジャケットやパンツも「これは暑いかな」「こっちは安全そうだな」と迷いながら選んだ。とても楽しい時間だったはずだ。

でも、グローブ選びはどうだっただろうか。棚にずらっと並んでいるのは見たけれど、「まあ手袋だし…」と深く考えず、近くにあったものを適当に選んだライダーも、少なくないと思う。

しかし実は、 グローブがライディングに与える影響は、 意外に大きい。レバーの操作感覚や、ライダーが受けるダメージなど、グローブによって大きく違ってくる。楽しく、安心して走るために、グローブ選びにこだわっておいて損はない。

とはいえ、どうやって選べば良いのか、あまりピンとこないかもしれない。ここでポイントを整理してみよう。

まず一つ目は、防護性が高いこと。 転倒したとき、人は反射的に手をついてしまうことが多い。つまり、転び方が軽くても手はダメージを受けやすいということだ。グローブがないと、立ちゴケ程度でも痛い目にあう可能性がある。「いざというときに守ってくれる丈夫さ」は、まず最初に重視したい。

二つ目は、動きやすさ。 グローブの大きさがあっていないと、ブレーキやクラッチレバーの操作がやりにくくなる。指がレバーに届きづらかったり、指先のだぶつきがどこかに引っかかったりして、「なんか操作しづらいな」という小さなストレスが積み重なる。「グローブをつけると操作が微妙」というときは、サイズや相性の問題かもしれない。買う前にしっかりと、チェックしておきたい。

三つ目は、機能性。 グローブをつけたままスマホの操作ができるもの、サーキットにも対応できるレベルのプロテクションが入ったもの、雨の日専用のグローブなど、用途に合わせた選択肢がいろいろある。それらを選ぶときに大事なのは「自分の使い方に合っているか」という視点だ。あれもこれもと欲張ると、結果的に選択肢が狭まってしまう。街乗りが多いのか、ツーリング中心なのか。自分のスタイルを思い出しながら、必要な機能を選ぶようにしよう。

四輪車と違って、オートバイは指先の操作が走りに直結する。アクセルもブレーキもクラッチも、手の感覚がとても大事である。だからグローブがフィットせず、正確な操作がしづらいとストレスが溜まるし、場合によっては安全面のリスクも上がってしまう。「たかがグローブ」と考えずに、ぜひこだわって選んでみよう。

具体的なポイントなどは、次のモトカケレッスンで説明する。ぜひご覧いただきたい。

モトカケレッスン

公道を走行する際は法令などを遵守の上、以下の点を守り安全運転につとめてください。 

  • 走行前に車両の点検を実施し、異常がある場合は無理に走行することは控えてください。
  •  ヘルメット・プロテクターなどの安全装備や、防護効果の高いライディングウェアなど適切な装備を着用してください。
  •  発進前には必ず後方の安全確認を行ってください。また周囲に他の車両が走行している状況では、急な進路変更や加減速などリスクのある走行は控えてください。

オートバイのグローブを選ぶときのポイントを、整理してみよう。

  1. 防護性が高いグローブを選ぼう。
    いざというときにライダーを守ってくれることが最優先。普段着の手袋や軍手などで公道へ走り出すのでは、不安が大きい。できればオートバイ専用の、しっかりした作りのものを選ぼう。 多少見た目がごつくなっても良いのであれば、手の甲や指に、追加のプロテクションを装備しているものもある。
    なおオートバイ専用グローブと言っても、さまざまなタイプがある。中にはサーキット走行に特化して指が固定されているものや、デザイン重視で指が露出しているものもある。用途によっては、指の動きが制限されたり、指先の守りが弱くなったりという弱点がでることもあるだろう。これらのグローブに興味があるのなら、安全面でのリスクは理解した上で選ぶようにしよう。
    グローブの防護性イメージ

  2. 指が自由に動かせるかをチェックしよう。
    オートバイは、ブレーキやクラッチの操作を、手で行う。だから、グローブをつけていても、繊細な指先での操作ができることが大切だ。とはいえ、動きやすさを追求すると、生地が薄くなって防護面での不安がでてくる。どのあたりで折り合いをつけるのか、実際に試してみなければ判断はむずかしい。できれば店頭で試着をして、指の動きや感触を確認したい。ショップの店員に許可を得てから、試着をしてみよう。指を曲げ伸ばししたときに、突っ張るような感触がないか。指先のだぶつきが大きすぎないか。 装着したときの肌触りなども大切だ。
    ただし、レザー製品は店頭に並んでいる時はかなり固く、使い込むにつれてなじんで柔らかくなる、という特徴がある。指先が痛かったり、しびれるような感覚がなければ、多少の固さは、使っているうちになじんでくることにも注意しよう。
    グローブの動きやすさのイメージ

  3. 自分にあった機能性を選ぼう。
    グローブの中には、さまざまな機能性を持つものも多い。つけたままスマホ操作が可能なもの。冬用の電熱グローブや、夏用のメッシュグローブ。防水性のあるレイングローブに、高機能素材を使った快適グローブなど。どれを選べば良いのか目移りしてしまう。そのときには、自分の使用目的に合っているかどうかを、冷静に考えよう。
    冬場でもガンガン乗りたいライダーなら、多少高価でも、電熱グローブは魅力的だ。酷暑の夏には乗りたくないのであれば、3シーズングローブで十分、高価なメッシュグローブまではいらないかもしれない。長距離ツーリングに出かけるときは、普段使いのグローブに加え、雨専用のグローブも用意したい。観光地などでいくつもの有料道路を乗り継ぐときは、つけたまま財布を開け閉めできる、軽めのグローブが快適だ。
    予算に余裕があるなら、状況に合わせて複数のグローブを用意できればベスト。すこし贅沢な選択肢だが、指先の感覚がライディングに与える影響を考えると、決して無駄な投資ではない。


適切なグローブをつけていると、走っているときのストレスが軽減される。ストレスの少ない走りはライダーの余裕を生み、それが楽しい走りにつながる。グローブの選択一つで、オートバイの楽しさが変わることは多い。ぜひこだわって、選んでみよう。

次に読むレッスンはこれ!ライディングウェアの人気記事 TOP3

  1. お気に入りのウェアで走りだそう!ライディングウェアの選び方:まず押さえたい安全ポイント ライディングウェア   初心者
  2. 【目的別】オートバイのライディングブーツ選び方ガイド ライディングウェア   基本テク   初心者
  3. 9.9%しか着けていない重要装備。オートバイの胸部プロテクターが大切だと言われるワケ ライディングウェア   基本テク   初心者

ライディングウェアのよくある質問

グローブは適当に選んでも問題ないですか?

おすすめできない。グローブがライディングに与える影響は意外に大きく、レバーの操作感覚や転倒時に受けるダメージが大きく変わる。安心して走るためにこだわる価値がある。

グローブを選ぶとき、何を押さえればいいですか?

防護性・動きやすさ・機能性の3点だ。転倒時に手を守る丈夫さをまず重視し、レバー操作を妨げないサイズ感、そしてスマホ操作対応や防水など自分の使い方に合った機能を選ぶ。

ライディングウェアは普通の服と何が違うのですか?

見た目に加えて「安全装備」としての役割を背負っている点が違う。普段着の感覚で選ぶと、動きにくかったり防護が足りなかったりしがちだ。

詳しくはこちら
ライディングウェアを選ぶとき、まず押さえる安全ポイントは?

防護性・動きやすさ・目立つ工夫・プロテクターの4点だ。長袖長ズボンを基本に、操作を妨げない動きやすさ、夜間に見えやすい色、最低でも胸部プロテクターを装着できることを押さえたい。

詳しくはこちら
胸部プロテクターは、どのくらいのライダーが着けているのですか?

非常に少ない。警視庁のデータでは2025年現在、東京都内の胸部プロテクター着用率は9.9%で、10人に1人も着けていない。着用しない理由は「面倒」が最多だ。

詳しくはこちら
胸部プロテクターが強く推奨されるのは、なぜですか?

胸部の損傷が命に関わるケースが多いからだ。警察庁データ(令和2〜6年合計)では二輪車乗車中死者の損傷主部位のうち胸部が29.1%を占める。着用は致死率の低下にもつながる。

詳しくはこちら
ヘルメットをかぶっていれば、あごひもはゆるくても大丈夫ですか?

大丈夫とは言えない。ゆるんでいると事故の衝撃でヘルメットが脱げてしまう。脱げてしまえばライダーを守れない。ヘルメットは「着用+あごひも」でワンセットだ。

詳しくはこちら
あごひもの重要性は、データにも表れているのですか?

表れている。警察庁の資料(令和2〜6年合計)では、ヘルメット着用ありの頭部損傷死者のうち、事故時にヘルメットが離脱したケースが39.7%(約4割)もある。

詳しくはこちら