タイヤの“賞味期限”、知ってる? オートバイのタイヤを使用期限で管理する方法

メンテナンス
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チーフライター
Kakeru Moriyama

二輪車安全運転指導員として14年ほどの実績。主に安全運転講習会で多くの受講生の方にアドバイスをさせていただいた経験を元に記事を発信しています。

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劣化してひび割れたタイヤを見て悩むライダー

タイヤは溝が減るだけでなく、ゴムが硬くなって「古くもなる」。つまり賞味期限があるのだ。年数とひび割れという2つのポイントで、使用期限からタイヤを管理する方法を説明しよう。


ひとつ、質問をしよう。あなたのオートバイのタイヤ、前回の交換はいつだったか覚えているだろうか?

即答はむずかしかったかもしれない。「えーっと……」となるのが普通だと思う。

タイヤの交換と言えば、点検や車検のタイミングで「そろそろ替えますか」と言われて思い出す──だいたいこのパターンだろう。とはいえタイヤは高価だ。3〜4万円は当たり前、ビッグバイク向けだと6万円超えも珍しくない。だから「自分はゆっくり走るし」「溝も残っているし」と、つい先送りしたくなってしまう。そうこうしているうちに、いつタイヤを替えたのか、曖昧になってしまう。

だがタイヤは、減るだけではなく“古くもなる”。ゴムは紫外線や熱などの影響で少しずつ硬くなり、しなやかさが落ちていく。 つまりタイヤには「賞味期限」があるのだ。 交換時期があいまいだと、実は期限を過ぎていた、ということにもなりかねない。

とはいえ、食品のように賞味期限の日付が明示されているわけではない。法律で賞味期限が定められているわけでもない。ではどのようにして賞味期限を判断すれば良いのか。ポイントは大きく2つ、「年数」と「ひび割れ」である。

まず年数。 一般的にオートバイ用のタイヤは、製造から3〜5年が交換の目安とされている。(※あくまで目安で、環境や使い方で前後する。)たとえ全くすり減っていないタイヤでも、この期限を越えて使い続けるのはリスクが大きい。製造された時期はタイヤに刻印されているので、参考にしつつ、早めに交換するようにしよう。なお四輪車用のタイヤでは、期限が長くなる。混同しないよう注意が必要だ。

次にひび割れのチェック。 タイヤの劣化が進むと、ゴムの表面に細かいひび割れが生じる。空気が漏れてくるほど深いひびでなくても、発生しているのであれば、タイヤ交換のサインとなる。また、たとえ使用年数が短めでも、走行や保管の状況によっては、ひび割れることがある。日常的な点検が大切だ。

タイヤは交換周期が比較的長い部品である。そのため、「気づいたら劣化していた」ということが起きやすい。しかしタイヤがオートバイの走りに与える影響は絶大だ。交換しただけで、安定感や楽しさがグッと増す。ぜひ日常的に点検して、劣化する前に交換をするようにしよう。

具体的な点検ポイントは、次のモトカケレッスンで説明する。ぜひご覧いただきたい。

モトカケレッスン

公道を走行する際は法令などを遵守の上、以下の点を守り安全運転につとめてください。 

  • 走行前に車両の点検を実施し、異常がある場合は無理に走行することは控えてください。
  •  ヘルメット・プロテクターなどの安全装備や、防護効果の高いライディングウェアなど適切な装備を着用してください。
  •  発進前には必ず後方の安全確認を行ってください。また周囲に他の車両が走行している状況では、急な進路変更や加減速などリスクのある走行は控えてください。

タイヤの使用期限をどう判断するか、ポイントを整理しよう。

  1. 使用期限の見方(製造年週のチェック)
    まず、交換時期を覚えていれば、ベスト。もしディーラーなどで交換したのであれば、整備手帳(メンテナンスノート)に記録が残っているかもしれない。チェックしてみよう。
    またタイヤの側面に刻印された製造時期をチェックする方法もある。 末尾4桁で「週+年」を表す例が多く、たとえば「2519」なら2019年の25週に製造、という読み方だ(1999年以前のタイヤでは3桁表記。ただ30年近く前のタイヤは、そもそも使用に向かない)。これを見て「いつ作られたタイヤか」を把握しよう。製造から3〜5年が経過していれば、そろそろ交換を検討する時期だろう。
    製造年の刻印

  2. ひび割れのチェック
    経年劣化によるタイヤのひび割れは、側面(サイドウォール)や溝の中など、地面に接触しない部分から現れ始める。これらの部分に細かいひび割れが認められたら、交換の検討をはじめよう。たとえ溝の深さが残っていたとしても、ひび割れたタイヤはリスクが高い状態。もしも放置してしまうと、オートバイが不安定になるだけでなく、最悪のケースではタイヤのパンクにつながることもある。早めに交換するようにしよう。


タイヤの劣化は、ゆっくりと、だが確実に進行する。変化がゆるやかなため、劣化が進んで乗りづらくなっていても、すぐには気づけないかもしれない。だから日常的な点検の中で、サインを発見することが大切だ。
タイヤの善し悪しは、走りの安全だけでなく“楽しさ”にも直結する。「まだ使えるか」より「安心して走れるか」「気持ちよく走れるか」。そんな視点で、タイヤチェックをする習慣を身につけよう。

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メンテナンスのよくある質問

タイヤは溝が残っていれば、まだ使えますか?

溝だけでは判断できない。タイヤは減るだけでなく「古くもなる」。ゴムが紫外線や熱で硬くなりしなやかさが落ちるため、いわば賞味期限がある。溝が残っていても期限切れのことがある。

タイヤの「賞味期限」はどう判断すればいいですか?

年数とひび割れの2点で判断する。一般にオートバイ用タイヤは製造から3〜5年が交換の目安だ。製造時期は刻印で確認でき、表面に細かいひび割れが出てきたら交換のサインである。

走り出しの違和感は、オートバイの不調が原因ですか?

オートバイではなくライダー自身の準備不足が原因のこともある。エンジンと同じく、人にも「暖機」が必要だ。オートバイは体を動かして操るスポーツのようなものだからである。

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乗車前の準備運動は、どんなことをすればいいですか?

大げさなものは必要ない。首をゆっくり前後左右に傾けて緊張をほぐす、足首をゆっくり回してステップ操作に備える、アキレス腱を伸ばす、といった程度でよい。出発前のちょっとした時間で行える。

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チェーン点検では何を見ればいいですか?

たるみ具合・コマがスムーズにつながっているか・注油されているか、の3点だ。チェーンはエンジンの回転を後輪に伝える要の部品で、壊れると走れなくなる。

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走行中にジャラジャラ音がするのは、どういう状態ですか?

劣化したチェーンが出している音である可能性がある。音が出る時点でかなり劣化が進んだ状態で、走りにも影響が出ているはずだ。そうなる前にこまめな点検で異常を見つけたい。

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スリップサインとは何ですか?

スリップサインは、タイヤの溝の底から0.8mmの高さに設けられた、摩耗限界を示す突起だ。タイヤがすり減り、スリップサインとタイヤ表面が同じ高さになったとき、残り溝は0.8mmに達している。そうなる前に、タイヤを交換しなければならない。

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スリップサインが出るまでは、タイヤを交換しなくても大丈夫ですか?

スリップサインが出ていれば、溝の深さは0.8mm以下になっている状態だ。実際には誤差もあるだろうから、0.8mm未満になっている可能性が高く、これは法律違反となってしまう。

またスリップサインが出るまで摩耗したタイヤでは、本来の性能を発揮できない。だからスリップサインが完全に出てしまう前に、余裕を持ってタイヤを交換するのが安全だと言える。

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スリップサインはどこを見ればわかりますか?

タイヤ側面の三角マーク「▲」を探し、その延長線上の溝の中を見るとよい。(車種によって異なる)サインは中央だけでなく、直進で接地するセンターや、コーナーで接地するサイドなど複数箇所にあるので、まんべんなく見たい。

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一カ所だけスリップサインが出ていても交換が必要ですか?

必要だ。「サイドはあやしいがセンターは大丈夫」とはいかない。どこか一カ所でもスリップサインが出そうなら、そのタイヤは交換のサインだ。

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